~すっぱいほうがスキ!~

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2024/04/21 09:41


温かくなってくると期間限定で始めるのが、すっぱさレベルXのアップルパイです。

オンライン・店頭、ともに今年も販売スタートしました。


◆そもそも「すっぱさレベルX」のアップルパイとは?


当店では、酸っぱさを基準にりんごやジュース、アップルパイを楽しんでもらえるように5段階の「すっぱさレベル」という独自の目安があります。

1から5まで、数字が大きくなるほど酸味が増していくのですが、それを飛び越えて規格外のものを「X(エックス)」と呼んでいます。

数字の「10」ともとれますし、「Maxで酸っぱいの?!」と捉える方もいたり、謎めいた意味合いを持たせて命名しました。

アップルパイで「レベルX」としているのは、りんごと他の果物などを使ったミックスアップルパイのことで、今のところ3種類あります。

・りんごとブルーベリー
・りんごとラズベリー
・りんごとルバーブ(Coming Soon!)

基本的にはブルーベリーやラズベリーなど、ミックスしている食材のほうがりんごよりも酸味が強いのですが、例外は「りんごとブルーベリー」。

これはどちらも酸っぱい品種を組み合わせていて、りんごは当店ではおなじみの酸っぱい「ブラムリー」を、ブルーベリーも酸味にこだわって「ダロウ」という品種をあわせています。

◆【ご購入について】単品でも、セットでも、ホールでも

単品販売もありますが、今ならセット商品には必ず、りんごとブルーベリーのすっぱさレベルXが入っています。

酸っぱすぎたらどうしよう!と不安になった方は、甘いものも含まれたセットがおすすめです◎

・すっぱさレベルX(りんごとブルーベリー)単品販売

・5ピースセット

・8ピースセット

・ホール(オプションで選択できます)


ここからは商品が誕生した背景を、当店の記録も兼ねて紹介します!

◆ほぼ年中手に入る岩手のブルーベリー


職業としても趣味としても産直巡りは欠かせないのですが、岩手県はブルーベリーの生産者が多く、時期になるとあちこちの産直で見かけます。

冷凍で販売しているところもあるので、ほぼ年中、手に入ります。

ブルーベリーはりんご以上に品種が明記されていることは少なく、産直だと粒の大小くらいしか違いがわかりませんが、約300種類あると言われています。

私が直接生産者さんに尋ねた内容としては、こんなことも分かりました。

・ほとんどの場合は品種混合でパック詰め

・酸っぱめの品種でもできるだけ完熟(甘く)してから摘んでいる

・品種を把握していない場合もある(栽培から数年経過していて当時を知る人がいない観光農園など)

あの小さくて柔らかい実を摘んで選別するのはかなり手間ひまがかかるので、生産者さんの苦労は想像できますが、業務用目線で産直パトロールをしている身としては、買ってみてよかったと思うものならなおさら「名前」が知りたいのです。

◆生産者さんのちょっとした工夫に感謝感激


そんな時(2017年くらい)、珍しくパッケージに「品種:ダロウ 酸味が強く加工向きです」と添えてあったブルーベリーを発見!

これまでも「完熟なので甘いです」「ジャムにしてもおいしい」など紹介されているブルーベリーは見たことがありましたが、品種までしっかり書いている点に、その生産者さんのお人柄がよく出ているような気がしました。

(それは後にお会いした時、納得する理由がありました!)

業務用目線で見ている自分にとって、品種まで書いてあるのは非常に買いやすく感激ものです。

さっそくダロウを購入して車の中でパクつくと、大粒で食べ応えのあるしっかりした食感で、もちろんキュッと酸っぱい。

それからというもの毎年ダロウだけを予約させてもらうことになり、その生産者さんの畑にお邪魔したこともありました。

畑の管理の都合である時期からその生産者さんからの仕入れは中断してしまったのですが、あの産直での出会いがなければダロウを知ることはなかったので、本当に感謝しています。


◆ダロウがアップルパイになるまで丸3年

2017年の初夏にはダロウと出会っていましたが、アップルパイにするまでには時間がかかりました。

なぜならば、すっぱい林檎の専門店。のリアル店舗がオープンしたのは2018年11月ですが、菓子製造の許可を取ってアップルパイを始めたのはその1年後の2019年11月のこと。

「すっぱさレベルX」のアップルパイが登場したのは2021年6月です。

さらにいうと、他人に向けてお菓子を作ったのが人生一度きりの私にとって、誰かの口に入る菓子製造をなりわいにするなんて、開店当初は考えてもいませんでした。
(当時も今もジュースやジャムは外部の加工場に製造を委託していて、アップルパイは店内でスタッフが焼いています)

ダロウを使ったアップルパイが完成した当時、盛岡経済新聞さんでも取り上げてもらいましたが、この時はまだ甘いりんごの活用という方向でダロウを組み合わせていて、今思えばヒヨっていたのかもしれません。笑

【参考】盛岡経済新聞(2021.6.22)
盛岡産リンゴで「すっぱさレベルX」のアップルパイ 秘密は「すっぱい爆弾」

▼当時よく使っていた画像


◆ずっと酸っぱいアップルパイの完成


経験上、すべての材料が酸っぱいと、3口目くらいから酸っぱいのか酸っぱくないのか、味覚が混乱してきます。

少々の甘さがあったほうが酸味が引き立って、酸っぱさを長く感じられます。

その点において甘いりんごと「ダロウ」の組み合わせは悪くなかったのですが、「すっぱさレベルX」と名前をつけるからにはやはり酸っぱさを追求したい。

「美味しい」よりも「酸っぱい」を優先。
それが「すっぱい林檎の専門店。」!

目覚めた私は翌年からりんごも当店イチオシの酸っぱい「ブラムリー」に変更。

りんごもブルーベリーもどちらも酸っぱいので、これだけでも酸っぱいことは伝わると思うのですが、翌年にはさらに改良し、ダロウをあらかじめセミドライすることで水分を飛ばし、酸っぱさを凝縮。

ドライ前の半量にかさが減ったダロウを、ブラムリーとあわせてぎっしりと詰め込みました。
(原価が高くなる原因ですw)

焼き立てはもちろん、冷たいまま食べても、温め直してもずっと酸っぱい。
最強すっぱいアップルパイの完成です。

ぜひ皆さんにも、ずっと酸っぱいアップルパイを食べてみてほしいです。

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